神様は意地悪だ。
お元気でいてほしい人に限って病魔を忍びよせる。
人はいつか逝ってしまう。
分かってはいるけど、元気でいてほしい人はずっと元気だし、記憶の中のままだし、その存在はいつまでも変わることなくあり続けると思ってしまう。
以前、恩師が入院されたときもその思いが強すぎて、なかなかお見舞いに行けなかった。
当時、韓国に住んでいたため、物理的に無理だと自分に言い訳をしていたけど、実のところは変わってしまった恩師にお会いすることが辛かったからだ。
重い腰を上げてお見舞いに行った時、恩師はすでにお話ができない状態だった。
もっと早く来ていたら。
今の私があるのは、恩師のおかげに他ならない。
一言お礼を言わなければならない方だったのに。
あんな思いは二度としたくない。
けれど、やっぱりまた自分に言い訳をしている。
子供がいるから、行けない。
今度は子供のせいにしている自分がいる。
今、お話できるときに行かなければ。
分かっているにに。
十分すぎるぐらい分かっているのに。
神様は意地悪だ。そして私は意気地なしだ。