かくして長い長い一日が始まった。
昼食をとり、実家の片づけをギリギリまでやってから最寄り駅に向かう。
ここ何年も飛行機移動(空港までは車)だったので、最寄り駅を使うのは何年ぶりだろうと古びた駅を見ながら考える。
ムスコはというと、初めての九州鉄道の旅(実際は2回目だけれど、1回目は記憶にない)に心なしかテンション高め。
車窓から見える風景に懐かしさを覚えつつ、小倉駅に到着。
新幹線までは約1時間。
私は新幹線でお弁当を食べるつもりだったので、その昔、必ず買っていた折尾のかしわ飯を探す。
新幹線口の手前にお店があったので(変わらず、だったのが嬉しい)、先に買おうかとも思ったけれど、1時間もあるし、ムスコはラーメンを食べたいと言うしで、後回しに。
駅ビルで久留米ラーメンを食べてご満悦のムスコとヲット。
さっき昼ご飯を食べたばかりなのに驚異的な胃袋だ。
そうこうしているうちに時間が迫り、気付けばあと15分しかないではないか。
飛行機と違って、待ってくれないのが鉄道。ここは時間前にホームに上がらなければ。
一旦、改札を通って中でお弁当を買おう、などと思ってしまった浅はかな私。
ムスコとヲットがお菓子やらお土産やらを調達している間にお弁当コーナーへ。
何もないんですけど?
そう、お昼過ぎのお弁当コーナーにのこのこやってきて、希望のお弁当が(というか、お弁当そのものが2~3個しかなかった)買えるはずがない。
嗚呼、私の折尾のかしわ飯よ。
かくして、藤沢でも買えるセブンイレブンのアメリカンドッグを買い、新幹線に乗車。
実家で全く宿題に手をつけなかったムスコはここにきてようやく宿題を始める。←え?
私なら、気持ち悪くなるので絶対にやらないけれど、いかんせん全く手つかずの状態なのだ。やるしかない、といったところか。
私はというと、日本には本当にお城がたくさんあるなぁなどと思いながら、車窓を眺める。
・・・にも、限度がある。退屈だ。
かくなる上は、音楽でも聴きますか。そう思って、ひとり音楽を聴き始めて2曲目。
振り向くと、ヲットが何やらあたふた。
ムスコはというと、マスクを両手で抑え込んでいる。
えーーーーーーーーーっと、マスクの中の消化物的なものは何かな?
って、吐いてますやーーーーーーーーーーーん!!
言わんこっちゃない!
だから、新幹線でやらずに大分でやっとけと言ったのに。
というか、そもそも大分でなんてできないんだから、行く前に終わらせとけと口を酸っぱくして言ったのに。
奇跡的にマスクがすべてのものを受け止めてくれた上に、万が一のことを考え、サニタリーバッグを座席に準備しておいたためにすぐ対処ができた。
かくして座席から服に至るまで何一つ汚すことなく、事なきを得た。
全て吐き戻したムスコは「せっかくの久留米ラーメンが・・・」などとほざいていらっしゃる。
おい。
ほどなくして新横浜に到着。
当たり前だけど外はすっかり暗くなっていて、にぎやかな街とたくさんの人波にいつもの日常が戻ってきた感じがした。
長かった。そして、考えてみたら、おなかもすいた。
でも、やっぱり一番は疲れた。
・・・人の言うことを聞かずに調子に乗って吐いたおまえにな!
何事もやることをやってから。これ、今年のムスコの教訓。
そんなこんなの年はじめ。今年もどうぞよろしく。